株主総会開催の日を含む事業年度において役員退職金を未払計上した場合、現実に支払ったか否か、取引の実体が存在するのかが税務当局から問われることは既に述べた。売上入金、退職金支出とも法人の口座を通しておらず、退職金支払時に(借)未払金(支払時損金の経理を採用した場合は、退職金)(貸)現金という仕訳と共に、(借)現金(貸)借入金(摘要ー代表者氏名)という仕訳が行われていた場合には、税務当局の側にこの借入の原資は何かという問題提起、売上を代表者個人口座に流していたのではとの推量が働くのである。