タックスヘイブンとは、税金が課されない国家若しくは地域又は税率が低い国家若しくは地域のことだけではない。租税コストを削減する法律を作って、ブルジョアが内部留保を拡大することについての方便を認めさせることに成功した国若しくは地域を含む。税率の低い国家若しくは地域においては、産業を持たない貧困国の場合、富裕国に搾取され続けるわけであるが、タックスヘイブンの事例に限らず、搾取の構造、原因をその国の政治家の「腐敗」という唯心的原因に求めることは正鵠を得ていない。政治家は所詮、ブルジョアの技師にすぎないのだ。政治家に全責任を負わせることは、ブルジョアに逃げ口上を与えるのだ。