中小企業といっても、大企業顔負けに使用人の賃金を絞って、内部留保を蓄積している法人もあれば、代表者が無報酬にして、使用人給与を支払っている零細法人もある。こうした無報酬の零細法人の役員に対し、生活の原資は何かと質問し、法人から家賃の支払いを受けて生活をしていると説明すれば、税務署も納得するし、金融機関も事業を辞めることを勧奨してこなくなる。しかし、法人に貸し付けた金銭の返済を受けて生活していると説明すると、法人の借入金が膨らんでいるのは、売上と仕入を抜いているからだと疑われ、会計事務所も名目上の給与を計上することを法人に提案し、税務署が給与の計上は法人が選んだこととし、給与源泉を零細法人の役員に支払わせることに成功しているという事実関係がある。