原則として地代は非課税(法6、別表第一①)。但し、賃貸期間が一か月未満の貸付けに係る地代、テニスコート等の使用料、駐車料は課税売上となる(基通6-1-5)。
テニスコート、野球場、プールは、施設の使用が土地の使用を伴う場合でも土地の貸付けに含まれず、課税対象になるとされる。
従業員社宅等の家賃は非課税売上である(法6、別表第一13)。但し、賃貸期間が一か月未満の場合は課税対象となる(令16の2)。
建物等の施設の貸付けに伴って、土地が使用される場合に土地部分の対価を区分したとしても、全体が建物等の貸付けの対価となる(基通6-1-5(注)2)。
住宅として使用して労働力を再生産している場合は、労働の疎外を土台に利潤を分配しているにも関わらず、非課税売上げとされてしまっている(法別表第一13)。
住宅以外に使用している場合には、課税売上げとなる。
前述のように、貸付期間が1月に満たない場合(日曜日だけ1年間貸すような場合を含む。)は課税対象になる。
しかし、予め定められた貸付期間が1月以上であったものが、その後の事情によりその貸付期間が結果として1月未満になったとしても、その土地の貸付けは非課税となるとされる。また、予め定められた貸付期間が1年未満であったものがその後の経済関係等によりその貸付期間が結果として1年以上となったとしても、その土地の貸付けは課税になるとされる。実体のない観念に基づく課税である。
前述のように、駐車場その他そ施設の使用に伴う土地の使用は、課税対象となる。例えば、砂利敷、アスファルト敷、コンクリート敷の駐車場は構築物であり、施設の貸付けに該当する(令8、基通6-1-5)。
駐車場等として利用する場合であっても、地面の整備、フェンス、区画、建物の設置等をしていないときは、その土地の利用は、土地の貸付けに該当し、原則として非課税取引になる。実体のない観念による課税である。現実の使用を実体化させなければならないということ(基通6-1-5(注1))。
一戸建住宅に係る駐車場のほか、集合住宅に係る駐車場で一戸一台以上の駐車スペースが必ず割り当てられる等、駐車場が住宅の貸付けに含まれると認められる場合で、住宅の貸付けの対価とは別に駐車場使用料等を収受していないものは、駐車場部分を含めた全体が住宅の貸付け(非課税)に該当するとされる(基通6-13-3)。
駐車場が住宅の貸付けに付随していると認められる場合であっても、駐車場料金を住宅の貸付けの対価とは別に徴収している場合には、その駐車場料金は課税対象になる。
高架式線路の支柱間の空きスペースを何ら施設を設けることなく貸付けた場合には、土地の貸付けに該当し、非課税になる。
高架下において、フェンス等を設け、駐車場等として貸付けた場合は、施設の貸付けに該当し課税対象となる。
墓地の永代使用料や霊園墓地における地中納骨施設の貸付けは非課税とされる。
墓地等の管理料(墓地の清掃代等)は、役務の提供の対価であり、課税対象とされる。
公有水面使用料、河川占用料は、土地の貸付けに該当し、占用許可を受けた期間が1月以上である場合には、非課税になる(基通6-1-7)。
道路占用料は、貸付期間が1月以上である場合には非課税になる(基通6-1-7)。
国又は地方公共団体等がその有する道路、土地の使用許可に基づき収受する電柱使用料は、土地の貸付けに係る対価に該当するとされ、非課税になる。
電柱を使用させて広告をさせる場合に電力会社が収受する電柱使用料は課税対象になる。
借地権に係る更新料等は、土地の上に存する権利の設定、譲渡又は土地の貸付けに係る譲渡に該当するとされ、非課税になる(基通6-1-3)。
借地権の更新料を受け取った場合、課税売上割合の算出に当たって分母に算入する。
住宅(人の居住の用に供した家屋又は家屋の内人の居住の用に供した部分をいい、一戸建て住宅のほか、マンション、アパート、社宅、寮、貸間等が含まれる)の貸付け(契約において人の居住の用に供することが明らかにされているものに限られる)に係る家賃は、非課税になるとされる(法別表第一13、令16の2)。
家賃には、月極等家賃の他、敷金、保証金、権利金等のうち返還されない部分(現状回復費を除く。)及び共同住宅における共用部分に係る費用を入居者が応分に負担するいわゆる共益費も含まれる(基通6-13-9)。
住宅と店舗又は事務所等の事業の用に供している施設が併設されている建物を一括して貸し付けた場合には、住宅の部分を合理的に区分し、住宅として貸し付けた部分のみが非課税となる。
店舗、事務所、工場等の貸付けに係る家賃については、課税対象になる。
店舗を貸し付けた場合には、賃貸料を建物部分と土地部分に分けて、建物部分の賃借料のみを課税売上げにするのではなく、全体が課税売上げになるとされる(基通6-1-5(注2))。
賃貸借契約等の締結又は更改に当たって収受する保証金、権利金、敷金、更改料のうち、一定の事由の発生により返還しないものは、権利の設定の対価とされ、資産の譲渡等の対価に該当するとされ、住宅や土地に係るものは非課税、店舗、事務所、工場等に係るものは課税となる(基通5-4-3)。
疎外された労働の評価が転嫁された利潤の分配が権利の設定となる。
賃貸借の終了に返還される保証金、敷金等は、資産の譲渡等の対価に該当しないとされ、不課税になる(基通5-4-3)。
住宅の貸付けには、通常住宅に付随して貸し付けられていたと認められるもの(例えば、庭塀等)及び住宅の附属設備と一体となって貸し付けられるもの(家具、絨毯、照明設備、冷暖房設備等)が含まれる(基通6-13-1)。
住宅の附属設備又は住宅に付随する施設等であっても、当事者間において住宅とは別の賃貸借の物件として、家賃とは別に使用料等を収受している場合には、その設備又は施設の使用料は課税対象になる(基通6-13-1)。
プール、アスレチック施設等を備えた住宅において、居住者以外の者が利用料を支払えば利用できるような場合は、居住者から家賃の一部としてその利用料に相当する額を徴収していても、その部分は課税対象になる(基通6-13-2)。
例えば、有料老人ホーム、ケア付住宅、食事付の貸間、食事付の寄宿舎等のように、一の契約で住宅の貸付けと役務の提供とを約している場合には、この契約に係る対価の額を合理的に区分し、住宅の貸付けに係る対価の額のみが非課税になる(基通6-13-6)。
居住の用に供している部屋の貸付けに賄いが伴う下宿の場合については、下宿代の内、賄い部分のみが課税対象になる。この場合、賄い部分と部屋代部分が区分されているときは、原則としてその区分によることをし、区分されていないときは、合理的な方法により区分するとされている。
旅館業法の適用を受ける施設の利用は、非課税範囲から除かれているが、学生又は独身者等が使用するいわゆる下宿は、旅館業法上の下宿営業には該当しない(基通6-13-4)。
転貸であっても、住宅の用に供することが契約書等において明らかな場合には、非課税になる。例えば、事業者が従業員の社宅に使用することが明らかにされている建物をその事業者に貸し付ける場合には、貸主とその事業者との間の賃貸料及びその事業者と従業員との間の賃貸料(使用料)も非課税になる(基通6-13-7)。
非課税とされる住宅の貸付けから除外されるものは、住宅の貸付期間が1月未満の場合及びその貸付けが旅館業法第2条第1項(定義)に規定する旅館業法に係る施設(ホテル、旅館、リゾートマンション、一時貸付マンション、貸別荘等)の貸付け(施設の使用期間が1月以上となる場合を含む。)に該当する場合である(令16の2、基通6-13-4)。課税
建物の賃借人が退去する際に、賃貸人が預り保証金等から差し引く原状回復費用相当額は、賃貸人の賃借人に対する役務の対価とされ、課税対象になる。
マンション管理組合が収受する駐車代については、組合員に貸し付けた場合には、不課税とされ、組合員以外に貸し付けた場合には、課税とされる。
マンション管理組合が収受する管理費等は、不課税となる。
テナントビル等の共益費等は、原則として課税対象となる(基通10-1-14)。
共益費として収受する金銭のうち、水道光熱費等の費用がメーター等によりテナント毎に区分されており、且つ、ビルの管理者がテナントから集金した金銭を預り金として処理しているときは、課税対象にならない。
店舗、事務所等の借家人がその借家を第三者に転貸する際に、借家の所有者が借家人から収受する承諾料は、他の者に建物を使用させる対価であるとされ、課税対象とされる。
借地上に建物を所有している者が第三者に借地権付で建物を譲渡する際、地主が借地人から承諾の対価として収受する名義書換料は、他の者に土地を使用させることの対価とされ、非課税とされる。
ガソリンの元売業者が、例えば、Xの有する土地の上にガソリンスタンドを建設して、これをXに賃貸する場合において、土地の賃借料部分は同額であり、これを相殺して建物の賃借料のみ収受し、経理上もそのように処理した場合には、建物の賃借料のみを資産の譲渡等の対価として取り扱われる。
資産の無償貸付けは、消費税法上は、資産の譲渡等に該当しないとされる(基通5-4-5)。