昨年末、年末調整により源泉所得税の還付を受けた給与所得者も多いと思われるが、源泉徴収票を見て、還付金として源泉税が戻ってくるからと喜んではいけない。源泉徴収票の中で見なくてはならない箇所は、「年末調整後の源泉所得税の年税額」である。
人間には生存本能などない。ブルジョアの資本蓄積内部留保の要請により、ブルジョアの命令により生命を維持して労働に耐えうるのに要する最低限度の給与で、家計は赤字で生活は苦しいにもかかわらず、年末調整を行った後でも、税金を源泉徴収票に記載された金額分、年間で税金を納付しているのである。軍隊や警察の給料は、その雇用主であるブルジョアが支払わなければならないのだが、それを労働者が支払わされているのである。資本家にとっては、取りやすい奴隷から取るというわけである。そして、労働者は、ブルジョアの命令に従って、保険に控除限度額一杯加入して保険会社をもうけさせ、兵隊を沢山作らない限り税金は零にならないのである。
労働者の源泉徴収が昭和17年に制定され、戦費として費消されて以降、労働者の税負担については、特定支出控除がある程度で、全くこの問題については手つかずのままである。ブルジョアの技師たる自民や民主が戦後60年以上政権を取り続け、税理士会も自民や民主を支持し続けてきたことと密接に関係があるのである。