裁判員制度について、裁判員に実際に選ばれた人間の負担が昨年末から論じられている。

裁判員制度は、人民に対し、質問状により、その思想信条を把握して、司法というブルジョアの権力維持装置の業務をさせるものである。

法は、企業に選定過程において得られた人民の情報を通知することを妨げないものとされている。選ばれた人民は強制労働をさせられるのである。

司法並びに監獄は、ブルジョア体制維持の必要性から、自らの資本蓄積内部留保にとって都合の悪い人間を犯罪者と定義する権力装置である。

資本主義に反対説を唱える人間に罪を着せたり、ブルジョアの命令に従って殺人を働いた人間も、命じられたことを暴露されると困るから、ブルジョアにとっては、収監するなりしておきたい。

権力装置たる裁判官の就業は維持しておく必要があるから、人民に責任を負わせる。選任手続における質問等は密室において行われ、思想の転向を強制されたり、裁判へ参加するよう強制されるおそれもないとはいえない。

戦時中の特高警察の使用の如くである。ブルジョアが定めた理由に該当しなければ拒否できないとなると、裁判員候補者となった旨の通知や選任された旨の通知は、ブルジョア体制への加担を命じるという点で赤紙と同じである。

さらに、過料によって、参加を強制するなど、力による強制を行うということは、ブルジョアに委任された技師たる立法担当者自体が、裁判所自体が、既存の事実関係の把握から、裁判員制度導入をするかしないかに至るまでのの問題提起、考えられうる全てのケースを浮かび上がらせ、一つ一つ法案に当てはめるという作業ができていない、又はできない、立法担当者自身が、裁判所自身がそれを認めるものである。

しかし、ブルジョアにとって、裁判員制度は実現させる必要がある。よって、裁判所に、力による解決を図る権限を付与するのである。刑罰によって、人民を怖がらせるのである。又、もっともらしい方便を使って、人民をコントロールするのである。裁判員制度の即刻廃止を求める。