<p>納税者番号制につては、その導入推進派は、所得の把握を方便として挙げるが、配当所得や株式の譲渡益については、既に資料箋の存在により、把握が可能となっており、大規模法人の申告書は別管理である。納税者番号制のメリットとして、導入支持者は、行政コストの削減を挙げる。しかし、行政コストの削減、すなわち公務員の給与の削減が実現されれば、その雇い主であるブルジョアの内部留保が蓄積されるのである。
法人の税率は下がっても、労働者や低所得者の減税の見通しはない。納税者番号が導入されるとなると、何月何日に何を購入したかまで詳細に把握され、一挙手一投足、箸の上げ下げまでプライバシーまで国家を通じ、ブルジョアに監視される。経済関係生産関係は、人民の思考に作用することを考慮すれば、人民一人ひとりのイデオロギーを分析することも可能となる。
戸籍には表示されていない様々なデータを得ることができるのであって、国民総背番号制、徴兵制につながるのではという見解も、あながち的外れな見解ではない。かつての特高警察、最近の情報保全隊の存在もある。国際金融資本に使用されて、安倍晋三や東条英樹のようにごみを拾い集める者もいた。ブルジョア同士は、青年会議所、商工会議所、ロータリー、政経塾、閨閥、株式の持ち合い等を通じ、納税者番号制など存在しなくとも、互いに、個人情報を共有しており、法律を改正して自らを擁護するし、海外に所得を隠す。人民のあらゆる情報を入手して、ブルジョアは、自らの経費を負担させるのである。脱税者を懲らしめるという勧善懲悪という唯心論だけで納税者番号制を歓迎するととんでもないことが待っているのである。</p>