<p>飲食業、クレジット販売等に対して、現況調査と称して、事前の通知なしに営業開始前早朝に事業所、場合によっては、代表者の自宅に税務署員が訪れることがある。一定時間という属性を与えてレジペーパーの数字を集計し、溜りすなわち調査時の現実の現金残と集計開始時の溜りとを基礎としレジペーパーの集計金額を加算、現金払いの経費、買掛の支払いを減算した帳簿残を突合する。取引先との経済関係を土台とした原始記録から現実に売上を抜いていることが確定できる場合もあれば、売上と買掛支払い、現金払いの経費を差し引いた純売上を売上として記載していることもある。これらも、現実には自由意思はないが、あくまで法律上の建前は、任意調査とされるものであるから、予定が入っていれば、調査に応じられない旨を話して、後日に調査を延期することを申し出ることができる。この点は、他の任意調査という属性が与えられているものと同じである。早朝深夜等、営業時間外の、休息中と考えられる時間帯や事前の予告なしに自宅に押し掛けるといったことは、行政の執行上要求されていないから、そうしたことが行われるようであれば、そうしたことをしないように、また、調査の必要とする理由を開示するよう、アピールする必要がある。また、消費者や取引先等に目につくような方法で調査を行うような調査手法も、行政の執行上要求されるところではないから、そうしたことが行われないよう、主張する必要がある。</p>