税務調査日程が終了すると、最終日の夕方、調査官より講評が始まる。その段階で、軽微な誤りの場合は、指導事項、所得の加算項目より減算項目の金額が大きければ、申告是認(この場合、是認通知書は発行されない)等と大体の結果は予想できる。調査官と納税者官で見解の相違がみられた場合には、後日別の日に再度調査するか、後日電話で、あるいは、調査最終日の講評の時に修正申告の慫慂(奨めてくること)が行われることがある。ただ、修正申告は、いわゆる行政指導であって、更正処分が行われないかぎりは、当該申告は違法なものとは取り扱われない。反面、一旦従ってしまえば、行政指導であるから司法審査になじまないとして、却下されることもありうる。納得がいかなければ、応じる必要はなく、進行事業年度の経理処理をこれまでどおりこなしていればよいのである。但し、更正処分が通知されれば、それを後の取消訴訟によって取り消さないかぎりは当該処分は適法なものとの推定が働くのである(これを公定力と言う)。