納税者と税務当局の間で、見解の相違のある事項につき、納税者がその主張等を取り下げるなどして、税務調査官に所得の加算材料を持ち帰らせることを、お土産と言っている。しかし、調査官にお土産を与えることは、経済上の事実関係から離れて、ブルジョア及びブルジョア国家による方便をはじめとする唯心論に基づく恣意課税が行われるようになる。税務署は、調査理由を通知して問題提起を行い、調査過程で質問検査等を通じ、事実関係を全体化し、所得に加算して課税するに値するか、所得の減算事由に該当するか否かを納税者側と共に検討するのが仕事である。納税者は所得の加算事由に該当しなかったり、所得の減算に当たるような事実関係があれば主張する必要がある。ただでさえ、納税者は、雇い主であるブルジョアが払う軍隊や警察といった権力装置の給料を負担させられている。納税者や税理士がお土産を与えて、税務署に早く帰ってもらうことは、こうした議論を放棄し、恣意課税に加担することになるのである。