税務調査を行いたい旨の連絡が入った場合や税務調査の日程が決定した後税務調査が実施されるまでの間に修正申告書を提出した場合には、更正処分を予知した修正申告とは取り扱われない。納税者は、申告書提出後、自らが誤って処理した点について知りうることはある。しかし、課税庁は、調査において知りえた加算減算項目については更正処分を行わなければならないが、納税者が誤りであることを知っている項目につき、課税庁は、税務調査において時間という社会的関係に係る制約、署内の生産関係、所得の減算項目の存在等からこれを発見することができず、更正処分が行われなかったり、納税者がその経済的関係から誤りであると考えていなかった点につき更正処分がなされることもあり、両者の税務上の誤りであると考えている点は必ずしも一致しない。調査が行われ、更正処分があるまでは、更正処分の基となった経済関係(当該取引の基礎となった経済関係のことではない。)について納税者は知りえないから、すなわち、更正処分の基となった経済関係から離れて空想により更正処分を予知することはできないのであって、更正処分を予知していたとは言えないのである。