海上運送に比べ、陸上運送、航空運送等の運送業に係る収益は、短期間に実現するから、原価について
も同様であり、海上運送以外の運送業については、収益と原価の対応関係は必ずしも明確にとらえなくとも、税務上弊害がないと考えられている。海上運送以外の運送業については、その支出が行われた都度、損金算入を認めることとしている。この取扱いにおける支出とは、燃料等を購入した日をいうのか、車両等の運送手段に払い出した日をいうのかについては、原価の未払出部分について損金算入を認めることは経済関係に合致しているものではないし、棚卸資産となるものに係る「支出の日」については、消費した日となると解するのが経済実体に合致したものであるということになる。燃料を購入したときではなく、それを払い出したとき、すなわち、車両に燃料を充填したときであって、社内のタンク内にある燃料は、棚卸資産としての計上を要する。購入の都度、損金算入が認められうるのは、社内に燃料タンクがなく、燃料が不足の都度、走行中に燃料を補給する場合等と考えられる。