請負による収益計上時期は、物の引渡しを要するものはその引渡し時、物の引渡しを要しないものは、役務の全部を完了した日、受入搬入した段階とされているから、設計業務に係る収益計上時期は、設計に係る役務の全部の提供を終了したときである。
しかし、設計等の役務提供については、一般の役務の請負とは異なり、設計業務と監理・監督業務に区分したり、基本設計と部分設計とに区分されていたり、期間の経過又は役務の提供量に応じて報酬を支払う等、契約内容、支払方法は様々であるから、一律に設計役務の終了した時に収益計上をするという取扱いとはなっていない。下記のような事実がある場合には、支払を受けるべき報酬の額が確定した日の属する事業年度の収益として取り扱われる。①報酬の額が現地に派遣する技術者等の数及び滞在期間の日数等により算定され、且つ、一定の期間毎にその金額を計算し支払を受けることとなっている場合。②例えば、基本設計と部分設計に係る報酬の額が作業の段階毎に区分され、且つ、それぞれの段階の作業が完了する都度その金額を確定させて支払を受けることとなっている場合。請負は、労働の提供をし終えることにより、労働を疎外して疎外した労働を労働力商品という資本が所有する資本に転嫁し、提供した労働力商品に価値属性が付与されて実体化された段階で益金に計上される。
