旧商法上においては、開業準備のために支出した費用を計上した場合には、開業後5年以内に均等償却額以上の償却を要するものとされていた(旧商法規36)。これには、建物の賃借料、支払利子、使用人の給料なども含めて、会社設立後営業開始までの一切の費用が含まれるものとされていた。一方、法人税法上の開業費は、目的論から「法人の設立後事業を開始するまでの間に開業準備のために特別に支出する費用」(令14①二)とされているから、開業準備に当たって臨時に支出した広告宣伝費、接待費、旅費、調査費等は開業費に含まれるが、支払利子、使用人給与、借家料、水道光熱費、消耗品費等の経常費とされているものは、開業費に含まれないことを認めさせている。開業費に含めた交際費は、交際費として抽出し、税法の規定に基づいた金額を所得の金額に加算する。開業費を一時の損金としないときは、資産計上した開業費の取得価額を税法の規定に基づき減額修正する。