賃貸人に契約上、支払うこととなっている事務所家賃を供託し(保証金は資本関係から借主の側からは充当できない)、時効を援用することなく、商事上の時効に相当する5年が経過した。時効が成立するまでの過程において賃借人が消費税の原則課税を受けざるを得ず、供託した金額が賃借人に返還され、債務が消滅した成立した段階において賃貸人が資本関係上簡易課税の選択を余儀なくされた場合には返還された家賃についてもみなし仕入率の存在からみなし仕入率相当の仕入控除が行われることと同じ計算となる。法律上の通知決定等による返還不要等が確定していないから、収益計上は不要なのであるが、税務行政庁は、借主の側に債権放棄の意思があったとみて、債務免除益を計上すべきとの主張がなされることがありうる。これなどは、借主貸主間の経済的関係から離れた唯心論を用いて課税の後付の方便としている。