損金計上できる定期保険料等を保険積立金等の資産に計上していた場合で、更正の請求ができる期間を徒過した後にその事実を知った場合には、大抵の税理士は所轄税務署長に上申書、嘆願書を提出して、過年度の所得の減額を申し出たか、それ以後の事業年度において、会計上、資産計上分を取り崩して、申告書で所得に加算すると言った対応をしていたと思われる。資産計上分を放置しておくと、存在しない資産が計上されていることになるから、更正処分の除斥期間(現行7年)内に資産計上分を会計上、取り崩すこととなるところまでは誤りではない。しかし、税務行政庁は、国税通則法24条により、税務調査は、所得の確認に該当し、税務行政庁が主語の「できる」規定は、義務を意味するから、調査等により知りえた加算項目減算項目につき、税務行政庁は、更正処分をしなければならない。したがって、税務調査において減算を主張できるように決算書、申告書を作成することが必要となってくるのではないかと思われる。