法人が商品等の金品引換券付き販売により金品引換券と引換えに金銭又は物品を交付することとしている場合には、その金銭又は物品の代価に相当する額は、その引換えた日の属することとしている事業年度の損金の額に算入する(法基通9-7-2)。このように、税務は、商品等の販売に際し、購入者に点数等を表示した金品引換券を交付して、後日その金品引換券と引換えに金銭又は物品を交付することとしている場合には、その交付する金銭又は物品の取得に当たって要した費用は、現実にその金銭又は物品を交付するまでは損金の額に算入されないこととしているのである。金品引換券を交付しただけで、購入者に未だ引き渡されない内に、また、規約等の不備により引換期間が徒過するなどしたことを奇貨として購入者に未引渡となっている場合に、特例として、当該金品引換券と引換えに交付される金品等の代価の費用計上を認めるとなると、これらの金品は購入者に引き渡さなければならない隠れ債務であるとの方便によりブルジョア企業による内部留保の蓄積を認めることになる。蓄積された内部留保は、経済的関係を離れた家事上、政治上の費用に使用することが可能であり、また、購入者に未引渡の商品等もディスカウントショップ等に売却することも可能である。このような問題が存在するのである。