ボックスシートに係る事例としては、事業に関係のある者をプロ野球の観戦に招待することは、その目的、内容からみて観劇に招待することと同様に取り扱うべきものであるから、その観戦に招待するために支出したシーズン予約席料は、交際費等に該当することとなる(昭和46年6月12日裁決)との裁決がある。
事業関係者を招待した場所の、時間的場所的制約等の社会的関係が、商談又は広報活動を行う場所となりうるか否かという問題提起を行って、推論を働かせてみれば、広告宣伝費か交際費等に該当するかについて判定を行うことができると思われる。アメリカの場合、エンターテイメント費用は、一律に損金不算入とはされていない。ボックスシートの背面には当該法人の社名、商品名が表示されているから、広告宣伝の効果だとか目的だとかを主張しても方便としか受け取られないのである。仮に交際費とした場合、返還不要であることを根拠に継続適用を条件に入場券を贈答した日の交際費等とすることも認めるとしているが、役務提供を受け得るのはその球場におけるシーズン開幕日であるから、接待等が行われうるのは開幕日であるから、シーズン開幕日の属する事業年度の交際費等に算入されるものと考える。