一の修理、改良等のために要した費用の額のうちに資本的支出であるか修繕費であるかが明らかでない金額がある場合において、その金額が次のいずれかに該当するときは、修繕費として損金経理をすることができるものとする。

(1)その金額が60万円に満たない場合、

(2)その金額がその修理、改良等に係る固定資産の前期末における取得価額のおおむね10%相当額以下である場合(法基通7-8-4)。

この60万円基準又は10%基準は、共に修繕費とすることのできる基礎控除ではない。すなわち、支出金額が60万円又は10%基準を超える場合には、その支出金額のうち、これらの基準により計算した金額を修繕費とし、残りの金額を資本的支出とするような処理は認められず、その支出金額全額についてこの取扱いの適用はない。固定資産の前期末における取得価額の10%であって、前期末における帳簿価額の10%ではない。

前期末における取得価額には、当該固定資産につき前期末までに資本的支出が行われている場合には、その資本的支出の金額が含まれる。「おおむね」は、一応の目安として定められた基準であって、その適用に当たっては、当該地域等の特殊性を考慮し、機械的、平板的に処理しないような配慮を要求する。但し、特定の者のみ、特殊性を考慮するのではなく、全てのものについて、特殊性を考慮した上で、その特殊性の適否を判定しなければならない。