法人が納付する労働保険の概算保険料のうち法人負担分又は概算保険料の額が確定保険料の額に満たない場合のその不足額のうち当該法人が負担すべき部分の金額は、当該労働保険の申告書を提出した日又はこれを納付した日の属する事業年度の損金の額に算入する。上記取扱いが認められるのは、一年以内の短期前払費用であるから、保険期間の経過に応じて繰り延べることを要求する必要がないからである。 但書きとして、法人の事業年度終了の日以前に保険年度が終了する場合には、当該保険年度について生じた確定保険料の不足額のうち、法人負担分の金額については、労働保険申告書の提出前であっても、これを未払金として計上することができるとされる、旨の記載がある。これは、労働保険料の額が被保険者である使用人に対する賃金の額を基準として毎月毎に計算されるものであるから、保険年度が事業年度中に終了している場合には、労働保険申告書の申告期限が事業年度末までに到来していないときであっても、確定保険料に係る不足額については期中に債務確定があったとされるからである。したがって、賃金は、日割りで確定するのであるから、但書きで記載されているが、こちらが正論ということになるであろう。