環太平洋連携協定(TPP)は、農業品、工業品をはじめとする全品目の関税を撤廃し、政府調達、知的財産権、労働規制、金融、医療等全ての非関税障壁を撤廃し、自由化するというものである。これに伴い、農作物や医療の安全面に係る基準が緩和され、混合医療等、医療保険の分野において市場原理の導入が求められるようになる。TPPの受入れは、いわゆる、アメリカ追従に他ならない。また、進出先国家のルールが企業にとって、不利であれば、相手国を訴えることができる等、進出先国で植民地経営を行うことが可能となる。多国籍企業を利する協定なのである。そして、安価な労働力を雇用し、給与の高い正社員を解雇を容易にするルール作りが求められる。TPPは、大企業にとって内部留保のさらなる蓄積をもたらすこととなるのだ。一見、安価な商品が流通するようになれば、消費生活における支出面において生活必需品の占める割合が高い低所得者層有利に見えても、労働者が労働力として生命を維持するのに必要であると経営者が考えている金額が下がることにより、経営者に国内外の労働者に対する賃金絞りを更に加速させる方便を与えてしまうのである。大地震の被災地の復興も妨げるのである。相変わらず、ブルジョアに依頼された技師である政治家は、アメリカ偏重、大企業偏重の政策を行うこととなるのである。