一口に会費といっても様々なものがある。諸会費と名前が付いていても、その内容から交際費、寄付金、役員報酬等と判定されうることも少なくない。

ゴルフ会員権に係る会費のように明らかに交際費等とされているものならまだしも、経理処理をする側としてその内容を知らない会費についてはどう処理するか。損金不算入の交際費や寄附金、課税対象である役員報酬に該当するか否かのメルクマールとしては、(1)支出の相手方が事業者であって、当該法人も役務の提供を受けているか、受けうる関係にあること、(2)当該費用が業務上、同業者、支出相手先等からの要請により、出捐せざるをえない関係にある、義務としての費用ということが挙げられるであろう。

(1)であれば、具体的にいうと、相手方が株式会社等法人税が課税される内国法人であれば、会費といっても法人の事業として徴収しているものであるから、支払手数料等であって、交際費や寄附金ではない。(2)同業者組合から工具、機械、材料等の購入代が売上高等に応じて負担することが要求されるもの等がこれに当たり、この場合は、諸会費ということになる。名目は安全協力会費や組合費であっても、その内容が政治献金であるものは、法人の事業と関連のない、当該支出がなくとも事業が行い得る支出というべきであり、これを寄附金とする論者もいるようであるが、法人に参政権はなく、役員個人が負担すべきものであるから、役員報酬、臨時支出であれば、役員賞与ということになると思われる。同じく、青年会議所の会費やロータリークラブの会費も役員個人の政治思想に基づくものであり、それを支出しないことにより事業に支障をきたすというものではないから、通説は、交際費のようであるが、私見では役員報酬又は役員賞与、国際金融資本、役員と法人と資本関係がフィクションされていれば、利益配当であると思う。

上記の例は、比較的ありうるものであるが、(1)(2)の基準に照らしていけば、諸会費かその隣接費用かの判定の解決方法になるし、納税者の経理方法を覆すのが困難であると思われる。当該支出の目的云々からのアプローチであると、支出目的など、方便であって、いくらでも何とでも言えるから、経理をする者も勘定科目を確定することができないし、税務署員に対する説得力としても弱いであろう。