交際費の損金算入限度額の計算について、注意を要することは、企業会計においては、支出した日において費用として処理していたとしても、税務上は、接待供応等を行った日の属する事業年度の損金となるとされるということである。つまり、税務上、一事業年度の交際費の金額は、事業年度末現在未払いのもの及び仮払金として経理されているものも含めたところで、当該事業年度の交際費の損金不算入金額の計算の対象となる。企業の計算した交際費の金額と税務上の交際費の計算は、この場合異なってくるのである。したがって、接待供応等が当該事業年度中に行われ、翌事業年度にその支払いがなされた場合で、企業の決算書上は翌事業年度の費用として計上したり、又は、当該事業年度は仮払処理にしておいて翌事業年度になって、交際費として仮払金を消却した場合、そのような金額に関して言えば、翌事業年度の交際費の損金不算入金額の計算の対象とは認められず、税務上損金として認められないという結果になりうるのである。