国際金融資本の使用人である野田総理は、政府税制調査会に、今後10年間にわたり、所得税と個人住民税を軸に増税することを検討すべきことを指示した。これに対し、法人税は、減税を3年間圧縮するだけである。また、今後5年間の復興費13兆円の試算として示したが、その根拠も明らかでない。

どうせ、軍事費等、労働の疎外によるブルジョア階級維持する上で要する諸費こ用の金額であろうが、ブルジョア学者を崇めて使って認めさせるつもりであろう。その一方で、普天間基地移設問題が取り上げられるということは、米軍基地関連の支出は今後も継続していくのである。大震災の際に、大企業等にとっての原発の必要性を訴える者たちが、電力不足を煽ったのと同様、担税力にある大企業が、負担しないということは、復興のための予算は、十分賄えているし、将来も十分賄えるということを意味するのではないか。仮に足りないのであれば、もともと必要のない、略奪費でしかない軍事費支出をやめて、内部留保が厚く担税力のある中小同族を含む大企業が率先して税負担に応ずるものである。

大震災の際には、見返りを求めることなく物資や義援金が集まった。被災地の復興に使われるのが嫌なのではない。軍事費としてブルジョアの奢侈に使われるのが嫌なのである。担税力のない労働者が増税され、担税力のある大企業等資本家が負担しないことに人民は納得しないのである。復興費と言いながら、他の目的に、ストレートにいうと軍事費に使うつもりなのであろう。消費税の増税こそ先送りになって失敗したが、ブルジョア階級維持上の費用を労働者をはじめとする人民から略奪するのである。

復興臨時増税と名付ければ、人民一人一人に対してその良心に訴えることができる。増税に不満を表明する者に対し、自分たちのことは棚にあげて、心無い人間と攻撃できる。略奪のための軍事支出等の資金が欲しい政財界は、東日本大震災について、ブルジョア階級が好んで用いる言葉である神風が吹いたとでも思っているのではないか。こう言うと、国際競争力という点から言えば、諸外国に比べて、法人税率が高すぎるとの反論が必ずといっていいほど出現するが、国際競争力とは、戦争力であり、侵略力、国内外の納税者や労働者を搾取する力なのである。相変わらず、経団連やブルジョア学者や大マスコミは国際競争力という言葉を使用し、国際金融資本は、この言葉が大のお気に入りである。