大企業は、労働者からの搾取により内部留保を蓄積し、こうしたブルジョア階級の共同体である国家の役割は、剰余生産の再生産と階級支配の持続にある。こうした生産関係を維持を余儀なくさせ、利子配当、労働力再生産の経費捻出とブルジョアの利益を守る軍隊、警察、官僚を養い、海外植民地等獲得のための戦争等臨時支出に備えさせ、労働者階級から搾取した剰余価値の一部を租税として国家に集中させるのである。

租税は支配階級としての自己を保持する手段を大企業や資本家に与えるのに資するのである。納税者の反発を避けるために、国家は、国債の発行という形をとり、それを大銀行や郵便局等が買い取り、国に対する債権者となる。

国債は所詮は架空債務であるから、利子の支払いを約束することで、国家に食い潰されるという架空資本である。架空の国が大銀行等に支払う利子は、労働者からの租税によって賄われる。

労働者は、連帯保証人の役割を果たしているのである。国債は租税の先取りなのである。増税の結果、生産手段の収奪、賃労働の創出、搾取により資本集積が進み、加速したのである。つまり、国家が資本主義生産様式を強化したのである。

さらに、臨時支出の度に国家は次々と借入れを行なう。借入れ増発即ち国債を発行し、更に増税が避けられないものとなり、人民の生活手段の課税たる消費税導入にまで至ったのである。租税はブルジョアの浪費に使用され、存在しているのである。

ブルジョア階級の共同体である国家が支出する社会福祉名目の支出も労働者を賃労働に縛り付けたことの後付けの慰安しているだけなのである。そして、学者も税理士も、道徳意識ばかりを教え、税金や警察等を抱える特定階級の利益擁護団体たる国家の別の顔を教えようとしないのである。こうした問題点を既存のものとして議論を出発させないから、非科学的な議論展開の方法を採用するから、納税者と税務行政の関係は何ら進歩しないのである。